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消滅時効の援用で借金の返済義務が消滅

先日依頼者から25年前に借りて放置していた借金の督促が来ました。
しかも自宅にまで来て投函していって、債権譲渡を数回繰り返していて全く知らない業者からです。
40万ほどだったんですが遅延損害金も含めて250万の請求でした。借用書の写しもついていたので確かに私が借りたことも間違いありませんでした。
又来られると思うと恐ろしくて夜も寝られませんという相談です。
最近こんな相談が増えています。

 

借金にも時効はあります。

時効が成立すると、借金の返済義務が消滅するので、1円も返す必要がなくなります。

ただし、借金の時効は、刑事事件とは違い、ある一定の時間が経過すれば自動的に時効が成立するわけではありません。

借金の時効は、簡単に成立させることが出来るわけではありません。時効を成立させるためには要件があるのです。

では、その要件とはどのようなものなのでしょうか?
 

時効成立の要件は3つ
時効を成立させるためには、以下の3つの要件を全て満たしている必要があります。
1. 一定期間に渡って、借金を返済していない
2. 時効が振り出しに戻っていない
3. 時効の援用手続きをする
 

1. 一定期間に渡って、借金を返済していない
貸金業者などから借りた場合の一定期間とは、5年を指します。
では、いつの時点から数えて5年なのでしょうか?

• 返済期日が決められていて、一度も返済しなかった場合、返済期日の翌日から数える。
• 返済期日が決められていて、一度でも返済していた場合、最後に返済した日の翌日から数える。
• 返済期日を決めていなかった場合、最後に返済した日の翌日から数える。
• 返済期日を決めていなかった場合、債権者が一定期間の猶予を定めて返還請求を定め、借りている人が返還しなかったときは猶予期間の翌日から数える。

消費者金融などの貸金業者からお金を借りた場合は、ほとんどの場合、返済日が決められています。
その返済日に返さなかった場合、その翌日から時効の期間が始まることになります。
この調査は我々が委任を受けて遂行することになります。
 
2. 時効が振り出しに戻っていない
時効が成立になる5年が経ったはずなのに、それまで進行してきた時効期間はすべて効力を失う場合があります。
このように、一定の事実や行為によって、それまで進行してきた時効期間が効力を失うことを「時効の中断」と呼びます。

では、どのような時に時効は振り出しに戻るのでしょうか?

1. 債権者が裁判所に請求の訴訟を起こしたとき
2. 債権者が裁判所に差押え、仮差押え、仮処分をしたとき
3. 債務者が借金の事実を承認したとき

上記のようなケースが起こった場合、今までの時効の進行がストップし、新たに時効期間が10年間延長されることになります。
 

3. 時効の援用手続きをする
借金の時効は、自然に成立するわけではありません。
借金の時効を成立させるためには、一定の期間(5年間)が経った後に、時効の援用を行う旨を債権者に伝える必要があります。
つまり、相手方に「返済する意志はありません」という意思表示を伝える必要があるのです。(民法上は裁判上で援用します)

この意思表示は、口頭や手紙でも行うことは出来ますが、通常は内容証明郵便で行います。

時効の援用手続きは、もちろん個人でも出来ますが、「自分では時効が成立していると思っていても、実は時効になっていなかった。」ということがあります。
時効が成立していなかった場合、時効の援用を行なっても、借金の支払い義務が免除されることはもちろんありません。
そして、時効の援用を行ったことにより、債権者から利息や遅延損害金が加算された支払い督促が始まったり、最悪の場合は、強制執行される可能性もあるため、個人で対応するにはリスクがあります。

そのため、消滅時効の援用については、我々専門家に相談することが最善であると言えます。
 

時効の中断事由(民法第147条)
1.請求
2.差押え、仮差押え、または仮処分
3.承認
 
中断事由の終了後、改めて最初から時効期間が進行を開始することになります。
借金の時効を成立させるためには、行わなければいけないことと、行ってはいけないことがあります。
行なってはいけないこととして、まず一番に挙げられるのが返済です。
借りた相手からの働きかけに対しては、何事にも無視し続けることが必要です。

一円でも支払った場合は、債務の承認をしたことになるため、時効は消滅してしまい、成立には至りません。
また、借金をしたことを認めるような行為もしてはいけません。

ただし、債権者が裁判所を通じて支払督促を行なってきた場合は、その範疇ではありません。
支払督促を受け取った側は、これを放置してはいけません。
2週間以内に異議申立てをしないと、相手側の主張を認めたことになってしまいます。最悪の場合、差押えをされる給料等差し押さえの可能性もあるのです。

 
行なう必要があること
借金の時効は、成立する満期を迎えても時効の援用をしないと時効は成立しません。
時効の援用を行う場合は、口頭や普通郵便ではなく、内容証明郵便で相手方に送付するようにしましょう。
待ってくださいも時効中断になることがあります.
 
時効が成立しているかどうか分からない場合
時効が成立しているかどうか判断するポイントは3つあります。
正しく時効の成立要件を満たしているか不安な方は、以下の3つのポイントを確認するようにして下さい。
 
最終取引日の翌日から5年以上経過しているか?
最後に返済する予定だった日の翌日から、5年以上経過しているかどうか確認しましょう。(受任した場合当方で取引履歴を取り寄せ確認します)
この時効期間の5年を満たしていなかった場合、当然時効は成立しません。
 
債権者が裁判所に訴訟を起こしていないか?
訴訟提起されていれば、時効の中断事由である『請求』に該当します。
裁判上の請求(支払督促、即決和解手続き、調停など)によって中断した時効は、裁判が確定した時から、新たにその進行を始めます。
そのため、判決の日から、さらに10年が経たないと時効は完成しません。
 
もし、時効成立期間の5年に差し掛かっていた場合でも、訴訟が起こされていれば、時効期間は引き戻されます。
そのため、時効期間は、通常の5年+10年ということになり、最大15年になるのです。

また、自分では判決を取られた記憶はないと思っていても、本人が知らない内に判決が取られていることもあります。
公示送達を使えば、訴状が届いたことになり、知らないうちに判決が出てしまうということがあるからです。
 
債権者の請求に対して反応していないか?

消費者金融の場合、最初は電話でする場合が多く、それでも支払いがないと郵便で督促することが多いようです。

借金の時効が成立するためには、5年の間に「一度も支払をしていない」、「一度も借金を認める行為がない」ということが条件になります。
債権者からの督促に反応して、借金の一部を支払ってしまった場合や、借金を認めてしまった場合(録音されている場合があります)は、時効の中断事由の『承認』に当たるため、時効の利益を放棄したことになる場合があるので「専門家に相談します」の一言だけであとは一切言質を与えないことです。
 
業者によっては時効債権でも大量一括訴訟提起してくるケースが増えていますので我々専門家に相談することをぜひおすすめします。
先日、時効債権で支払督促を申し立てしてきた業者は、当方から受任通知を出しただけで取り下げしてきました。弁護士・司法書士は、ある意味、力があるので時効案件の場合は、すぐこのような対応を取りますのでお任せ下さい。