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続・アコム過払い請求に対し分断で残有り主張~示談書の効力

以前のニュース
でアコムが過払い請求に対し分断で残有りを主張し、その後準備書面で攻防していましたが、今度は新しい争点として「示談書」なるものを出してきて、過払の不存在を主張してきました。
ところがこの文書は依頼者の署名押印のない代物であり、ご丁寧にアコムが代筆した旨が書いてあるものでした。
付随していろいろ和解の間接事実を主張してきましたが、本来ならば反論に値しないと考えましたが、裁判官より「和解について反論して欲しい」釈明があったので、以下反論しました。
 

直送済

平成27年(ハ)第    号 不当利得金返還請求事件
原 告
被 告  アコム株式会社

 

準 備 書 面(3)

 

平成27年6月  日

札幌簡易裁判所民事係 御 中

原告訴訟代理人司法書士 坂 東  守

原告は、以下の理由により、次の文書の成立を否認する旨主張する。

 

1 処分文書の真正な成立の否認
被告は、甲第9号証(示談書)の立証趣旨を「平成18年 月 日に、原告被告間にて記載内容どおりの和解契約を締結した事実。」として過払金の不存在を争っているが、以下の理由で甲第9号証(示談書)の成立を否認する。

 

(1)文書の作成者が「被告」であること
甲第9号証(示談書)が文書の形式的証拠力を有しているための認定要件として、①特定人の意思に基づいて作成されていること
②書証の記載内容が思想の表現と認められること
③作成したとされる者がその意思に基づいてその書証を作成したこと
の要件を満たしている必要がある。
本件において、被告は、甲第9号証(示談書)の作成者を「原告被告」として証拠説明書に記載しているが、甲第9号証(示談書)の署名欄に原告の印影がなく、「入手困難の為、代筆」と被告が自ら乙欄に原告の住所・氏名の署名した事実を自白している。従って、甲第9号証(示談書)は被告による私文書偽造(刑法第159条第1項)であるから作成者は被告となり、原告の意思に基づき作成されたものではない。

 

(2)署名代理による効果帰属
次に被告の署名代理(代筆)について代理権授与行為の存否を検討する。代理の要件として、
① 代理人による意思表示
② 代理人が、①のとき、本人のためにすることを示したこと
③ ①に先立つ代理権の発生原因事実
が必要であるが③について代理権の授与行為の事実がなく、被告は代理権を有していない。よって、被告による署名代理は無権代理であるから原告に対し効果帰属しないというべきである。

 

(3)二段の推定
甲第9号証(示談書)の文書が真正に成立したと推定が及ぶためには、以下の判例及び規定がある。
①「文書中の印影が本人または代理人の印影によって顕出された事実が確定された場合には、反証がない限り、該印影は本人または代理人の意思に基づいて成立したものと推定する」(最判昭39.5.12)
②「私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する」(民事訴訟法第228条第4項)
本件は(1)記載のとおり、甲第9号証(示談書)に押印がないことから、①における前提事実の存在が欠如している。よって、御庁が甲第9号証(示談書)が真正に成立したものでないことの判断を為せば、和解の確定効等に関する判断をするまでもなく、和解無効の判断が為されることと考える。

以上

証拠方法

 

甲第9号証 示談書

 

添付書類

甲号証写し 1通

 

一般的に,契約書等があっても当事者が書面の内容について同意したとは限りません。
実際に,無断でサインされた偽造や,署名・押印した後に,記載内容を変造された書面が問題になる紛争はよくあります。
しかし,民事訴訟法では,押印があれば原則的に証明力が認められることになっています。
次のように,2つの推定を使います。
2段の推定と呼んでいます。
まず,印影(紙面上に押されたハンコの文字)が本人の名称であれば,本人が押したという推定が働きます。
さらに,『内容に同意して印鑑を押したんだ』という推定も法律上規定されています。

 

<押印に適用される推定>
本人の印影
↓事実上の推定;判例
本人の意思に基づく押印
=本人が押した,という意味です。
↓民事訴訟法228条4項の推定
文書の成立の真正
=内容を納得して押印した,という意味です。

 

本件の場合、そもそも押印がないので上記主張は念のために反論したまでです。
この続きはまた