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××××の0和解提案を拒否

今回は依頼者が返済途中で支払い困難になり、××××の言うがまま約定残で分割和解(利限法では半分程度の残)し、その後完済前に過払になった事案です。
利限法の引き直しでも残が残る場合、和解無効の主張ができるかが争点です。
××××は和解が成立しているということで0和解を提案してきましたが拒否しました。
今後の展開は後日。

 

 

株式会社×××× 御 中

 

依頼人        にかかる0和解提案について

 

頭書の件に付、当職は御社提案を以下の理由により受諾できないので以下回答します。

 

<和解の確定効の及ぶ範囲>

 

和解の確定効は、争いの目的=和解の対象となった事項についてのみ生じる。(同旨・大審院大正6年9月18日判決・民録23輯1342頁)。
和解の対象外の事項については、確定効は生じず、権利関係は確定していないので、別途事実を争い請求することができるものと考えます。
本件平成21年1月  日付和解契約書では、和解の目的は、借入金債務の返済方法(毎月の返済金額)であって、過払金債権の処理(過払金返還請求権の放棄等)まで及んでいないことは明らかである。
事実和解の目的額は約定残の○○○万円であり、当職の利息制限法により引き直した○○万円とは大きな乖離がある。
和解の前提となった事実の認識に誤りや錯誤がある場合、和解が錯誤により無効となる。(最高裁昭和43年3月15日判決・民集22巻3号587頁)。

 

<毎回の返済金額、返済期間・回数を変更するだけの和解>

 

和解の確定効を検討するにあたって、和解の確定効が及ぶ範囲すなわち和解の対象となった争いの目的は何であったかを特定する必要がある。
返済不能に陥っている借り手は、とにかく毎月の支払額さえ減ればよいと考え、債務総額の減額までは関心が薄いものである。
こうした場合の典型的な和解例は、本件のように、約定利息によって計算した元本額と利息額の存在を確認して、約定残債務額を減額することもなく、毎回の返済金額を減額して、返済期間と回数を延長するというものである。
当然、利息制限法による引直計算などしておらず(取引履歴も開示されていない)、依頼人は引き直し残が半額程度であることや、ましてや将来の過払金の存在の可能性すら認識できない。
この場合、紛争事項(関心事項)は、「毎月の支払額」と「返済期間・返済回数」のみで、債務総額は念頭に無かったものである。
依頼人は、御社が提示している約定残債務を全面的に受け入れて和解し、かつ将来の過払金の存否など話題にもあがっていなかったのであるから、債務総額や将来の過払金の存否および金額に、和解(清算条項;和解契約書6項)の確定効は及ばない。
したがって、和解で確認した残債務が約定残債務と同額であった場合には、和解(清算条項)の確定効は過払金債権にまで及んでおらず、過払金の請求がなお可能ということができる。

 

<和解の前提事実の錯誤と錯誤無効となる要件>

 

和解の確定効といえども絶対的なものではなく、和解の前提となった事実と当事者の認識につき、食い違い(錯誤)があれば、民法の意思表示の規定により、錯誤無効となる余地がある。
調停合意の錯誤無効が争点であった名古屋高裁平成22年10月28日判決〔武富士〕は、「利息制限法所定の制限利率を超える利息の支払いは、貸金業法によりみなし弁済が成立する場合等を除いて、原則として法律上の原因を欠くのであるから、利息制限法所定の制限利率に引き直して計算した結果と調停内容が乖離しており、かつ借主がその事実を認識しておらず、認識しなかったことについて、貸金業者が正確な取引履歴を開示しないなど、貸金業者側に起因する事情がある場合には、法律行為の要素について借主に動機の錯誤があり、かつ、その動機は表示されているというべきであり、当該錯誤について借主に重過失があるとはいえないから、調停は無効になると解するのが相当である」旨判示して、調停合意の錯誤無効となりうることを認めた。添付参照
すなわち、①引直計算の結果と調停(和解)内容との乖離、②借り手が乖離を認識していないこと、③借り手が乖離を認識しなかったことについて貸主側に起因する事情があること、の3要素が満たされる場合には調停合意は錯誤により無効となることを明らかにした。

 

<錯誤の程度>

 

和解当時、利息制限法で引直計算して債務が残る場合でも、和解で確認した債務額と有効に存在する残債務額(利限残)との乖離が大きい場合は、和解が錯誤無効となる。
 

<消費者契約法による訴外和解契約の取消し>

 

貸金業者が、取引履歴を開示せず、また利限法に基づく残額を教えずに和解したような場合、消費者である借り手は、重要な事実の不告知(消費者契約法4条1項1号)として取り消すことができる。(横浜地裁平成24年)御社が取引履歴を開示してきたのは平成27年5月18日であり、この時点が起算点となるから同法の出訴期間内であり、当職は同和解契約を同法に基づき取り消す。

以 上