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過払い請求・レイクとほぼ満額の和解 ~貸出停止処理と消滅時効の起算点 

昨日レイク(新生フィナンシャル)に対する過払い請求訴訟の第1回期日があり、ほぼ満額の「和解に代わる決定」で終結しました。
事案の概要は、レイクが弁済の遅れ、信用状態の悪化等で、依頼者に対する貸出停止の処理がなされたので、将来の借り入れが想定されなくなったので、貸出停止処理の時から、過払金債権の消滅時効が進行し、10年経過による消滅時効完成により過払金の返還は0である、という主張に対し消滅時効の起算点は取引の終了時から進行するとして反論し和解に至った事案です。
反論の詳細をアップしておきます。

 
 

原 告

被 告  新生フィナンシャル株式会社

 

準 備 書 面

 

平成27年12月1日

 

札幌簡易裁判所 御 中

 

               原告訴訟代理人 司法書士  坂 東  守

 

本件事件に関し,期日外で被告は貸出停止処理による過払金返還請求権の消滅時効を主張してきたので,従前の経緯から予想される争点について,あらかじめ反論しておく。

 

1 貸出停止処理による過払金返還請求権の消滅時効について

 

被告は,本件取引について,平成14年8月12日の貸付を最後に,以降貸出停止処理を施し,その後新たな借入金債務の発生が見込まれなくなったためこの時点で継続的な金銭消費貸借契約が終了したとして,同取引により発生した過払金返還請求権の消滅時効は,同取引が終了した時点から進行すると主張するが、原告としては以下のとおり反論する。

原告と被告は,基本契約に基づき,平成12年4月5日から平成22年11月24日にかけて継続的に借入と返済を繰り返す金銭消費貸借取引を行った(甲第1号証)。上記基本契約は,基本契約に基づく借入金債務につき利息制限法1条1項所定の利息の制限額を超える利息の弁済により過払金が発生した場合には,弁済当時他の借入債務が存在しなければ上記過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意(以下過払金充当合意と言う。)を含むものであったと解される。

一般に,過払金充当合意には,借主は基本契約に基づく新たな借入金債務の発生が見込まれなくなった時点,すなわち,基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引が終了した時点で過払金が存在していればその返還請求権を行使することとし,それまでは過払金が発生してもその都度その返還を請求することはせず,これをそのままその後に発生する新たな借入金債務への充当の用に供するという趣旨が含まれていると解されるのが相当である。そうすると,過払金充当合意を含む基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引においては,同取引継続中は過払金充当合意が法律上の障害となるというべきであり,過払金返還請求権の行使を妨げるものと解するのが相当である。過払金充当合意を含む基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引においては,同取引により発生した過払金返還請求権の消滅時効は,過払金返還請求権の行使について上記内容と異なる合意が存在するなど特段の事情がない限り,同取引が終了した時点から進行するものと解するのが相当である(最高裁第一小法廷平成21年1月22日判決(甲第3号証))。

被告は,貸出停止処理を行うことが上記特段の事情に当たると主張するが,上記特段の事情が存在するためには過払金充当合意を失わせる合意が当事者間に必要なところ,被告は貸出を停止した事実を原告に通知せず,原告は過払金を将来の借入金債務に充当する期待を抱いたまま弁済を続けた。貸出停止処理について,被告が原告にその詳細を説明したことはなく,また将来の融資可能性を明確に否定することもなく,自己の利益を最大化するため継続して原告から金銭を受領し続けてきた事実から,当事者間に過払金充当合意を失わせる合意があったとはいえず,貸出停止処理を行った時点で継続的な金銭消費貸借契約が終了したと考えるのは妥当ではない。

したがって,貸出停止処理の時点を当該取引により発生した過払金返還請求権の消滅時効の起算点とする被告の主張は,認められない。
 
2 悪意の受益者について
 
平成19年7月13日最高裁第二小法廷判決(民集225号103頁)はみなし弁済規定の適用がない場合は,貸金業者は民法704条の「悪意の受益者」であると推定されるとし,例外として次の趣旨が判示されている。「貸金業法18条1項に規定する書面の交付がなくても同法43条1項の適用があるとの認識を有していたとして,悪意の受益者の推定を覆すのには,やむを得ないといえる特段の事情があることが必要である。やむを得ないといえる特段の事情があるというためには,貸金業者が利息制限法の制限超過部分を利息の債務の弁済として受領したが,その受領につき貸金業法43条1項の適用が認められない場合に,当該貸金業者が同項の適用があるとの認識していた場合,その認識に一致する解釈を示す裁判例が相当数あったとか,その認識に一致する解釈を示す学説が有力であったというような合理的根拠があってその認識を有するに至ったことが必要である」とするところ,それに該当する裁判例や学説は見当たらないのが現状である。

さらに、貸金業法43条はみなし弁済が認められるためには、同法17条1項の規定により法定の契約書面を交付していること、及び同法18条1項の規定により法定の受取証書を交付していることと明記している。したがって、被告が貸金業法43条を立証しない限り、みなし弁済は認められない。

また,平成19年7月17日最高裁第三小法廷判決の趣旨に照らすと,貸金業法43条の適用が認められない限り利息制限法の制限超過利息を受領した貸金業者は民法704条の「悪意の受益者」であると推定されるのであるから(平成19年7月17日最高裁第三小法廷判決・民集225号201頁),被告が悪意の受益者でないことを主張するには,貸金業法43条の規定が成立することを立証しなければならない。

被告は、貸金業法17条及び18条に規定される書面をその都度原告に交付したと主張するが、それらが同法同条の要件を満たしていると認められる証拠はない。また、被告の主張は上記特段の事情が認められる立証には至らない。

したがって、被告は民法704条の悪意の受益者と推定される。

 

以上

 

 

 

証拠方法

 

1.甲第3号証 平成21年1月22日 最高裁第一小法廷判決

 

 

添付資料

 

1.甲号証写 1通