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第三者弁済による代位訴訟~レイクに対する過払訴訟
以前アップしたレイクによる第三者弁済の主張に対する反論で、新生フィナンシャル(レイク)に過払い請求をしたところ、最後に一括弁済したのは請求人の夫であり、第三者の原資による弁済であるから請求人には過払は発生していないとの反論に対し、
最後に一括弁済したのは請求人の代理人であるとの位置づけで、効果は本人に帰属するから請求人に過払請求権があるという主張により、最終的には7割程度の和解をした事案を報告しましたが、同じような事案で訴訟になったところ、レイクが従前と同じ強力な主張をしてきたため、判例学説等精査したところ、一旦訴訟を取り下げ、再度以下のような主張のもとに、再提訴しました。
これにより、以前の当所の主張は修正しましたので以下報告します。
平成28年(ハ)第 号
原 告
被 告 新生フィナンシャル株式会社
準 備 書 面
平成28年6月10日
札幌簡易裁判所 民事5係 御 中
原告訴訟代理人 司法書士 坂東 守
1 原告が被告に対して不当利得金返還請求権を有する根拠について
そもそも民法第474条第2項は、利害関係のない第三者がなした弁済であっても債務者の意思に反しない限り有効とする法意である。(甲11)
本件取引は平成9年9月8日から平成19年7月17日まで,原告の夫である訴外×××
(以下「夫」と言う)が被告と継続的に金銭消費貸借取引をし,平成19年8月3日に原告が弁
済することにつき債務者である夫の承諾を得て,被告支店を訪れ,金197万9400円を被告が受け取ったことによって弁済がなされて完済したものである。
当時原告は,法律上利害関係を有しない第三者であったが,原告が被告へ弁済することに対し,債務者である夫の承諾を得ていることから,債務者の意思に反しないことは明らかである。
また被告自身が第三者弁済を認識し、承諾し、弁済金を受領し、(甲12)その結果訴状別紙記載の「利息制限法に基づく法定金利計算書」のとおり,原告による弁済によって金109万5683円の過払が生じているのだから,原告が被告に対して不当利得金返還請求権を有する。
2 本件訴訟は第三者弁済により当事者変更が擬制された代位訴訟である
次に本件訴訟の位置づけであるが、本件訴訟は第三者弁済により当事者変更が擬制された代位訴訟であると考える。
そもそも、債務を債務者以外の者が弁済した場合に、弁済によって消滅すべきはずの、債権者の債務者に対する債権(以下「原債権」という)を、弁済者に移転させ、弁済者がその求償権の範囲内で原債権を行使することを認める制度である。(債権移転説)(甲13、甲14、甲15)
原債権の移転は、求償権確保のためにされるものであり、弁済者は、原債権と求償権を併せ持ち、そのいずれも行使できるが、原債権は、求償権に対する一種の付従
性を有し、求償権の存在、その債権額と離れ、これと独立してその行使が認められるものではなく、求償権の限度でのみその効力が認められるという、主従の関係のある特別な請求権競合となる。(甲16)
ただし、本件の場合は第三者弁済により、約定金利では債権が消滅したものの法定金利に引き直した結果請求の趣旨記載の過払が生じた事案であり、本来であれば債務者に請求すべき求償権が消滅し、求償権は過払請求権に転化したため、従って論理必然に当事者が変更され、代位した第三者弁済者が原告となり、債権者が被告となったものであり両当事者とも原告、被告適格を有するに至った、第三者弁済による当事者変更が擬制され、かつ訴訟物も求償権から不当利得返還請求権に転化したところの代位訴訟であると位置づけることができる。
証拠方法
甲第11号証 大判大9・1・26判決
甲第12号証 平成28年(ハ)第 号 不当利得金返還請求事件
答弁書(被告作成)
甲第13号証 最三小判昭59・5・29判決
甲第14号証 最一小判昭61・2・20判決
甲第15号証 最一小判平23・11・24判決
甲第16号証 最三小判平23・11・22判決
添付書類
1 甲号証写 各1通