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社内研修~その1「債務整理の基礎① 総論・任意整理」
皆さん、こんにちは。
当事務所も4日から業務を開始し、日常を取り戻しつつあるところです。
さて、今年も新入所員が加入し、私が研修を講義しているところです。
皆さんも当事務所がどんな研修をしているのか興味があるところだと思いますので
私の講義録をシリーズで公開していきます。
参考にして下さい。
目次
① 「債務整理の基礎① 総論・任意整理」
② 「債務整理に伴って現れる消費者問題」
③ 「過払金訴訟」
④ 「ロールプレイング」
⑤ 「リレー研修」
⑥ 「保証否認~保証契約における保証人保護の視点」
⑦ 「最近の最高裁判決と金利規制をめぐる情勢」
⑧ 「債務整理の基礎② 自己破産」
⑨ 「個人再生手続の流れ」
⑩ 「債務整理の基礎③ 個人債務者再生手続 総論」
①「債務整理の基礎① 総論・任意整理」
はじめに
大前提
「多重債務は力関係があるので、どうしても我々が介入して
法的な観点から解決しなければならない」
〈貸金業規制法21条1項6号〉
司法書士・弁護士から受任の通知が届いたら、依頼者に対して直接取り立てをしてはいけない。
我々が引き受けると支払いは止まる。
→生活を立て直すこと、無駄遣いは許されない、余力のあるところで支払いを考えてもらう。
■我々が取りうる手段として考える事
任意整理、破産申し立て、個人再生の申し立て、特定調停の申し立てがあるが、
闇雲にやったのではヤブ司法書士なので、どう選択するのかについて考える。
利息に関する規制
〈利息制限法〉
年利2割、1割8分、1割5分を超過した部分は無効となる。
・S39.11.18最高裁判決
「制限利息を超える利息は元本に充当される」
・S43.11.13最高裁判決
「完済した場合、過払い金請求ができる」
金融庁「事務ガイドライン」
弁済を行おうとするものから債務内容開示を求められたら、信義則上協力する事
→開示を拒否した場合、損害賠償責任を負う。
事務ガイドラインの改定
個人情報保護法によりデータは開示しなくて良いのではないか?(業者)
→司法書士・弁護士から開示を求められたら委任状を添付する必要はないという判決。
債権債務関係を確定する時のみならず、過払い金返還請求のためにも開示を求められる。
取引履歴の破棄の問題
・・・最後の取引から三年間は保存しなければならない。
手続選択の基準
- 任意整理の選択基準
36回(三年間)で返済ができる→任意整理
返済が難しい→破産申立
・支払わなくてはならない負債をよく聞く
・過払い金を念頭に置いて債務整理をする
支払原資=総収入-住居費の3分の1
- 個人再生の選択基準
負債額5000万円以下(住宅ローン除く)であれば個人再生可能
最低弁済価格500万以下→100万円払えば良い
500万以上→負債額の2割払えば良い
債権者の消極的同意が過半数ないと成立しない。破産配当よりも多い最低弁済価格が必要。
住宅ローンはリスケをして全額払うことで住宅確保ができる
- 破産の選択基準
車両や生命保険を手放したくないなど、生活のために必要なものを残す方法もある。
新得財産、自由財産の拡張。
破産による資格の喪失を回避する場合。
- 特定調停の選択基準
我々がクレサラ事案で特定調停を選択する必要はない。
任意整理の実際
我々が受任をして受任通知を出すことで始まる。まず受任通知を出すのが先決。
- サラ金の場合
住所はインターネットで調べる。わからなければ電話で確認する。
- 闇金の場合
東京都産業労働局のサイトにあたる。
金融庁のサイト、金融庁データバンク等にあたる。
返済案
⇒弁済原資÷総債務額×各債権者の債権額