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社内研修~⑥「保証否認~保証契約における保証人保護の視点」

⑥「保証否認~保証契約における保証人保護の視点」

「保証否認」

保証契約の成立を否定したり、成立は認めるものの無効としたり、
取り消しを保証人に認めることにより、保証契約ないしその拘束力を全部ないし一部否定し、
保証人を救済する場面で用いられる用語。
第1部

債権者の保証人に対する義務は2つだけ→これまでは債権者よりの価値判断だった
①504条で担保保存義務
②455条で単純保証

近時、消費者としての保証人保護の必要性が主張されている。

保証人の差異に対応した「多様な保証法理」の構築の必要性あり。
→ ”一つの保証法から多様な保証法へ”

多様な保証
• 関連会社による保証
• 実質個人会社における経営者の保証
• 会社の取締役の会社の債務の保証
• 銀行による有償保証
• 金融機関の設立したその融資のための保証会社や信用保証協会による有償保証、など

「保証主体の多様化」ということからは、次の場合は保証人保護の必要性が低いと言える。
①個人会社の経営者による個人保証
②親会社などのグループ企業による保証
③有償保証人
→自己責任、情報を把握、利益を受ける等のため。
第2部

消費者保証においては、保証人が支払うのは「万が一」という事が当然の前提。

フランスでは保証人は保護されている。
→錯誤による救済は認められないが、詐欺的沈黙による救済は認められる。

詐欺的沈黙が認められるための4つの要件
①再建不能なほどの資力悪化
②債権者の悪意
③保証人の意思決定における重大性
④保証人が主たる債務者の状況を知りえなかったこと

第3部

1.特定債務の保証

(1)錯誤無効の主張を否定した判決
• 大判昭12.12.28判決全集5巻2号3頁
• 東京地判昭50.1.30金法754号35頁
• 東京地判昭62.4.15金判786号28頁
• 東京高判昭63.8.18金法1225号34頁
• 山口地判平1.12.14金法1252号28頁

(2)錯誤無効が認められた事例
主債務者が実体のない会社であった事例(主債務者による詐欺事例)
・  東京地判昭53.3.29判時909号68頁
主債務者の職業を誤信していた特殊な事例(主債務者による詐欺事例)
・  東京地判昭61.1.30判タ627号150頁
主債務者(及びその個人経営者)が信用不安の状態にあることを知らなかった事例
・  大阪地判昭62.8.7判タ669号164頁
・  水戸地下妻支判平11.3.29金判1066号37頁
2.根保証の場合について

(1)錯誤無効の主張を認めた判例
・  大判大12.7.9評論12巻民520頁
・  名古屋控判大13.5.6新聞2268号14頁

(2)保証人の責任を制限した判例
・  東京地判昭34.2.20下民集10巻2号351頁、判時179号9頁
・  東京高判平13.12.18(商工ローン保証)最高裁ホームページ
3.東京高判平17.8.10判時1907号42頁、金判1226号15号―イレギュラーな判決?
4.総括的検討

日本の従来の錯誤法は比較法的に見て疑問が生じる。

比較法的に注目される近時の立法など
①ヨーロッパ契約法原則(PICC)
②ユニドロア国際商事契約原則(PECL)
③ヨーロッパ契約法草案(パヴィア草案)

錯誤による取消が認められるための要件は以下の通り

①錯誤の重大性。
②共通錯誤、相手方が提供した情報によって錯誤が生じた場合、または相手方が錯誤を知って
いる又は知りえ、それを放置してはならなかったのに放置した場合のいずれかに該当すること。
③表意者に重大な過失がないこと。
④表意者がそのリスクを引き受けるべき性質の錯誤ではないこと。

結論
「破綻しているないし破綻必至の債務者のためには、誰もが特別事情がなければ保証人になる
はずはないのであり、債権者が主債務者の信用状態を説明しそれで敢えて保証人になったの
でなければ、債権者は主債務者からの債権回収不能のリスクを保証人に転嫁することはできな
い」