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社内研修~⑦「最近の最高裁判決と金利規制をめぐる情勢」

⑦「最近の最高裁判決と金利規制をめぐる情勢」

第1、貸金業者の営業実態

下記の傾向が共通している。経営者は超ワンマンが多い印象があり、背景には高金利がある。

1、従業員に対する過酷なノルマ主義
2、借主に対する著しい過剰融資
3、保証人に対する根保証トラブル
第2、利息制限法の解釈に関する基本原則の確認

貸金業法43条の「みなし弁済」規定が制定されて以降も、原則が利息制限法であり、
「みなし弁済」規定は例外に過ぎないことが、解釈する際に重要。

貸金業法43条は、契約ではなく、「返済」のみを事後的に有効とみなす規定である。
第3、貸金業に関する主要な最高裁判決

1、最高裁平成15年7月18日判決判時1843号3貢(ロプロ)
「弁済当時存在する他の借入金債務に充当され、当該他の借入金債務の利率が法所定の制限
を超える場合には、貸主は充当されるべき元本に対する約定の期限までの利息を取得すること
ができない」
「日本信用保証株式会社の受ける保証料等は、法3条所定のみなし利息に当たるべきというべ
き」

2、最高裁平成16年2月20日判決判時1853号32貢(SFCG)
17条書面及び18条書面には、所定の事項が正確かつ容易に債務者に理解できるように
記載されていることが求められる。

3、最高裁平成17年7月19日判決(キャスコ)
貸金業者は、貸付契約の付随義務として、信義則上、保存している業務帳簿に基づいて
取引履歴を開示すべき義務を負うとした

4、最高裁平成17年12月15日判決判時1921号3貢
リボルビング方式の貸付について、17条書面の充足を否定し、みなし弁済の成立を認めず

5、最高裁平成18年1月13日判決判時1926号17貢(シティズ)
最高裁平成18年1月19日判決判時1926号28貢(シティズ)
利益喪失特約の元で、債務者が利息の制限額を超える範囲で支払った場合は、自己の自由な
意思によって制限超過部分を支払ったものということは出来ない

6、最高裁平成18年3月7日判決(ヤミ金判決)
年1200%の高利事業に関し、元本についても返済義務を認めなかった。
7、最高裁平成18年3月17日判決(シティズ)

8、上記最高裁判決の帰結
貸金業規制法43条は事実上死文化し、グレーゾーン金利は実質的に否定される

9、上記最高裁判決後の利息制限法の計算方法で残された課題
(1)複数口取引がある場合や、完済後の再貸付の場合の利息制限法の計算方法
(2)期限の利益損失と、計算すべき利息制限法の利率
(通常利率か損害金利率、とりわけシティズ)
第4、金利規制をめぐる情勢

1、行政の動き

(1)アイフルに対する業務停止処分(平成18年4月14日)

(2)金利については、みなし弁済制度は廃止すべきとの意見でおおむね一致

(3)グレーゾーン金利の廃止の場合の選択肢
利息制限法の上限金利水準に向け、引き下げる方向で検討することが望ましいとの意見が大勢

(4)その他の検討項目
①過剰貸付け・多重債務の防止
②契約・取立て等にかかる行為規制
③参入規制・監督手法等
④金融経済教育とカウンセリング

2、立法府の動き

(1)自民党の情勢
日弁連、金融庁、貸金業協会、大手貸金業者、信用情報機関などの参加の下、基本的には
関係団体が簡単なプレゼンテーションを行い、議員が議論するとのスタイルで論点ごとの検討
を行っている。

(2)公明党、民主党など
検討中であり、意見がすぐまとまる状況にないものと考えられる。

(3)被害者を出さない健全な消費者教育を考える動き
勉強会が開催されて、日弁連もヒアリングを受ける予定。

(4)金利引き下げ問題の論点
①金利を引き下げるヤミ金が増加するか否か。
②金利を引き下げると借りられなくなる人が増加するか否か。

追補

• グレーゾーン金利とは、平成22年6月17日以前において、利息制限法が定める金利(貸付け額に応じて15~20%)を超える無効な金利であるにもかかわらず、出資法で罰則を定めている金利(29.2%)未満であることから、罰せられることのない高金利のことをいいました。
• しかし、グレーゾーン金利は、平成22年6月18日に出資法の上限金利が利息制限法の水準の20.0%に引き下げられたことにより廃止されました。また、貸金業法改正により、利息制限法の上限金利を超える金利は、貸金業法による行政処分の対象となりました。
• 上限金利は利息制限法と出資法の2つの法律で規制されています。
• 利息制限法は、貸金の上限利率を元金額に応じそれぞれ年率15%・18%・20%と定め、これを超えた利息の「民事上の効力」を無効と規定しています。
• 出資法は、貸金の上限利率を貸金について業として行う者は年率20.0%(平成22年6月17日以前は年29.2%)と定め、「刑事上の効力」として、これを超えた利息の契約締結・要求・受領に刑罰を課すことを規定しています。
• 以上のとおり、民事上は無効ですが、刑罰が課されない利率の幅があり、この幅の中に入る金利がグレーゾーン金利と呼ばれていました。
• グレーゾーン金利については、平成22年6月17日以前には、貸金業法に規定される一定の厳格な要件を充足した場合には、本来無効な利息を有効とみなすという規定(みなし弁済規定)が設けられており、利息制限法以上の金利で営業を行う貸金業者の主張の根拠とされていました。
• しかし、みなし弁済規定の適用については、最高裁判所は貸金業者に対して厳しい判断を示し、事実上ほとんどの場合、適用が認められないことになりました。その上、平成22年6月18日の利息制限法と貸金業法改正により、みなし弁済規定そのものが廃止されました。