債務整理や過払い金請求・相続の無料相談は札幌市の坂東法務事務所

無料相談・お問い合わせ

フリーダイヤル

新着情報

社内研修~⑩「債務整理の基礎③ 個人債務者再生手続 総論」

今回で社内研修の公開は最後になります。

参考になりましたでしょうか。

当事務所は皆様のご依頼の本旨に沿えるよう研鑽を重ねておりますので

勇気を出してご相談ください。

 

⑩「債務整理の基礎③ 個人債務者再生手続 総論」

第1 個人民事再生手続きとは

1 概念

民事再生法第13章「小規模個人再生及び給与所得者等再生に関する特則」
個人再生手続きでは、再生債務者の将来の収入から原則3年間(例外5年間)
一定額(最低弁済額以上)の分割弁済を行い、残債務については免除を受けることができる。
再生債務者に財産がある場合でも、財産の清算は行わない。
2 手続きの流れ

① 事件の受任
※債務総額5,000万円以下で、ある程度の資力、返済能力の確保が前提
② 債権調査、抵当権者(住宅ローンの抵当権者、別除権の抵当権者)との交渉
※厳格に調査→取引履歴開示→引き直し計算→債権者一覧に記載
③ 申立書の作成
④ 裁判所への申立、個人再生委員の選任

⑤ 手続開始決定

⑥ 報告書の提出
⑦ 異議申述期間
⑧ 評価申立期限
⑨ 再生計画案の提出
⑩ 再生計画の認可
⑪ 弁済の開始(認可決定の翌月から)
第2 手続きの特徴

1 法的な整理手続き
債権(再生債権)の元本の減額が可能であり(基本的には2割程度)、住宅ローンの返済に関し
特則を定めて弁済を容易にしている。

2 給与所得者等再生と小規模個人再生手続き
給与所得者等再生・・・サラリーマン等対象のはずだったが
小規模個人再生・・・・・中小企業者、小規模事業主を対象のはずだったが
現状では小規模個人再生の利用者が82.4%。
3 債権(再生債権)の元本の減額が可能な手続き

再生債権の2割以上の弁済(ただし、最低弁済額の総額100万円、1箇月約3万円)であれば
利用可能となる(民事再生法231条2項)。

再生債権(無異議債権及び評価済み債権)
100万円未満 基準債権の総額
100万円以上500万円未満 100万円
500万円以上1500万円以下 基準債権総額の2割相当額
1500万円を超えるとき 300万円
3000万~5000万以下 総額の1割相当額

4 住宅資金特別条項

個人の自宅の住宅ローンの返済を容易にすることが制度の一つの趣旨。
ただし、抵当権者の同意を必要としており、被担保債務が住宅取得資金に限定されており、
後順位抵当権の被担保債務が住宅ローンでない場合は利用できない。

5 個人再生委員の役割

• 約6か月間の積立期間を置き、個人再生委員が定める銀行口座に毎月支払予定額を
積み立てる。
• 個人再生委員の報酬は原則20万円
• 評価の申立がある場合は再生債権を評価し、再生計画案につき個人再生委員が意見を述べる

6 ハードシップ免責
計画の4分の3の履行が済んでいる場合等の免責の申立。病気になった場合など。

7 給与差し押さえの中止命令・取消命令
給与差押を受けている場合には、中止命令申立(開始決定前)、取消命令申立(開始決定後)
を行う。
第3 手続き利用の現状

1 事件数の伸び悩み
事件受任時の割合は約5%に過ぎない。

2 利用の問題点
①手続きに要する期間(申立に要する期間+手続きの期間約6カ月)
②手続きの労力(任意整理+破産手続き)
③過払金請求権との関係(弁済額は清算価値を上回る必要がある)
④住宅資金特別条項の利用の問題点(銀行の同意が必要)
第4 手続き選択の注意点

1 依頼者の選択
返済能力の見極め(3年+半年)の返済に耐えられるかどうか

2 最低弁済額の見定め
債務総額を概算して最低弁済額を想定して、弁済計画を作成して提示する。
送金費用と弁護士費用も加味する必要がある。

3 清算価値の総額に注意する
不動産を有する場合や生命保険の解約返戻金がある場合の清算価値に注意する。
札幌地裁では、財産価額の評定は破産手続きの基準を準用。退職金債権は8分の1。

4 再生債権の総額5000万円
再生債権の総額は5000万円以下であり、それ以上の場合には通常の民事再生手続きによる。

5 非免責債権
非免責債権の存在に注意する。ただし、再生計画に含めることは可能である。
例)悪意で加えた不法行為、養育費、婚姻費用等

6 官報公告
破産手続きと同様に官報公告される。金融機関に勤務している場合には注意が必要。
第5 住宅資金特別条項

1項(原則型)

2項(リスケジュール型)
延長期間10年以内、満70歳以下。

3項(元本猶予期間併用型)
一般弁済期間の範囲内で元本猶予期間を設ける。最低でも元本の一部の弁済の必要がある。

4項(同意型)
自由に住宅ローンの返済条件を変更させるもの。

巻戻
保証会社が保証債務を履行した場合に、保証債務が履行されたときから6カ月以内に申立が
あったとき。

別除権協定
住宅資金特別条項と同様に、再生計画には組み入れず、
抵当権者と別途に協定を締結し返済していく。(裁判所は関与しない)。