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アド・リボ分断 取引の空白による一連性の否定に対する反論

皆さん、こんにちは。
今回はNクレジット会社がアドオン(回数指定払い)とリボ払いを分断し、アドは消滅時効、
リボは取引の分断を主張し、130万の過払い請求に対し30万の回答をしてきたという事案です。
依頼人と相談し訴訟も辞さないことを確認しましたので、とりあえず書面で反論を送付しておきました。
結果は次の機会にご報告したいと思います。

本件取引の一連性についての主張

本件取引は、1個の包括的基本契約に基づき、極度額の範囲内で借入れと返済を繰り返すことを予定しており、H11.1.28乃至H15.3.27が回数指定払いであり、H14.4.8乃至H28.9.27の取引に回数指定払いとリボルビング払いが混在していたが、各弁済は、基本契約に基づく借入金の全体に対してされたものであり、貸付けごとに個別的な対応関係をもって行われることは予定されておらず、各借入金債務に対する弁済金のうち、制限超過部分を元本に充当した結果、過払金が発生する場合には、他の借入金債務が存在する場合は過払金を充当し、それがないときは、その後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意を含んでいたと言える。
依頼人は、平成19年5月15日、貴社に641,889円を弁済し、一旦約定債務を完済したが、特に繰上返済をしたものではなく、本件取引を確定的に終了させる意思を明らかにしたものでもない。その際、依頼人が使用していたカード(ショッピングとキャッシング双方に利用できるクレジットカード)の失効手続きはとられておらず、依頼人は、H20.5.19日からの取引においても、引き続き同一のカードを使用していた。
確かに、前半取引と後半取引の間に約1年の空白(中断)期間があるが、後半取引に当たり、貴社による審査手続はなく、依頼人との間で新たな基本契約が締結されたこともなかった。また、前半取引と後半取引の約定利率は、同一であり、返済条件に変更もなかった。したがって、上記空白期間があっても、前半取引と後半取引とは、一連一体であ
カードキャッシングには、予め借入限度額が定められており、借主は、限度額の範囲内であれば借入れの都度、貴社の審査を受けなくても、自由に借入れと返済を繰り返すことができ、借入れの際、返済方法として、支払回数を指定できる回数指定払いといわゆるリボルビング払いのどちらかを選択することができる。
依頼人は、H11.1.28乃至H15.3.27回数指定払いを選択し限度額の枠が空くと借入れをしており、H14.4.8からリボルビングによる借り入れを開始し、複数の借入が存在した。
依頼人は、平成19年5月15日、641,889円を支払い、前半取引の約定債務は完済となった。(なお、過払金が生じていた。)、依頼人は、平成20年5月19日、クレジットカードで30万円を借り入れたが(後半取引)、それまでに貴社からクレジットカードの返却を求められたことはなく、カードの失効手続きもとられなかった。また、貴社は、後半取引において、本件取引の契約番号を変更したことはなく、その際、貴社が、依頼人の審査手続をし、依頼人との間で新たな基本契約を締結した事実はない。以上の認定事実によれば、依頼人が前半取引の最後の弁済をしたことにより約定債務が完済され、その後、後半取引までに約1年の空白(中断)期間がある。しかし、取引を確定的に終了させる意思があったと認めることはできず依頼人は、前半取引後も、貴社からクレジットカードの返却を求められたことはなく、その失効手続きもとられなかったため、後半取引において、クレジットカードを使用して借入れをしていたものであり、その際、貴社が依頼人について審査手続きをし、依頼人との間で新たな基本契約を締結した事実はうかがわれない。そして、貴社は、前半取引後も、控訴人からクレジットカード会費を収受し、契約番号も同一であったから、貴社自身、依頼人との間で前半取引を終了する意思がなく、前半取引を継続する意思を有していたと評価されてもやむを得ないものである。そもそも、本件取引は、依頼人と貴社との間の基本契約の下で、平成14年4月以降、カードを用いて継続された金銭消費貸借取引であり平成28年9月27日までに優に15年弱、継続された取引であるところ、前半取引と後半取引は、いずれもカードキャッシングとして行われ、依頼人は、予め定められた借入限度額の範囲内で、貴社の個別審査を受けることなく、自由に借入れと返済を繰り返していたものである。そして、借主は、返済方法としてその都度回数指定払いとリボルビング払いのどちらかを選択することができ、指定回数についても借主が選択することができ、当事者間において、金銭消費貸借取引が同時かつ複数存在する可能性もあったから、回数指定払いとリボルビング払いとは、返済の時期及び方法に関する相違的な差異であって、それが契約の種別を異にするほどの質的な違いであるとは考えられず、連番についても、基本契約の下で同時に成立する複数の金銭消費貸借について、被控訴人において債権を管理する方法の1つにすぎないと評価するのが相当である。そうすると、本件事実関係の下においては、前半取引と後半取引との間に前半取引の期間と比較して相対的に短いと評価される約1年の中断(空白)期間があった点を考慮しても、前半取引と後半取引は、一連一体と認められる。      ところで、同一の貸主と借主との間で基本契約に基づき継続的に貸付けとその返済が繰り返される金銭消費貸借取引においては、借主は、借入れ総額の減少を望み、複数の権利関係が発生するような事態が生じることは望まないのが通常と考えられるから、弁済金のうち制限超過部分を元本に充当した結果当該借入金債務が完済され、これに対する弁済の指定が無意味となる場合には、特段の事情がない限り、民法489条及び491条の      規定に従って、弁済当時存在する他の借入金債務に充当されるものであり(最高裁第二小法廷平成15年7月18日判決・民集57巻7号895頁)、弁済によって過払金が発生しても、その当時他の借入金債務が存在しなかった場合には、上記過払金は、その後に発生した新たな借入金に当然に充当されるものということはできないが、この場合においても、少なくとも、当事者間に上記過払金を新たな借入金債務に充当する旨の合意が存在するときは、その合意に従った充当がされるものというべきである。(最高裁第一小法廷平成19年6月7日判決・民集61巻4号1537頁)。そこで検討するに、上記の認定事実によれば、前半取引完済時に過払金が発生したが、他の借入金債務は存在しなかった。しかし、本件において、基本契約は1個であることに加え、前半取引継続中、貴社に対する複数の債務を負っていたところ、毎月1回弁済し、貴社が弁済額を各貸付金・利息に充当していたものとうかがえるから、本件取引における弁済は、リボルビング払いでなくても各貸付けごとに個別的対応関係をもって行われることが予定されているのではなく、基本契約に基づく借入金の全体に対して行われるものと解するのが相当である。したがって、本件事実関係の下においては本件の基本契約は、過払金が発生した場合には、これをその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意を含むものであったと解するのが相当であると考える。